俺様常務の甘い策略
俺が沙羅の手を引いて帰ろうとすると、彼女は何故か俺の手を振り払った。

「その言い方……おかしくないですか?どこが愚息なんですか?颯介が愚息なら、世の中の息子全員愚息ですよ。颯介は自分のポリシー持ってちゃんと仕事してて、誰よりも有能です。国会議員だかなんだか知らないけど、自分の息子の事も理解してない人が国政をやるなんて世も末ですね。そんなんじゃあ、次の選挙、落選しますよ!」

親父の言葉に腹を立てた沙羅が一気に捲し立てる。親父を真っ直ぐ見据えるその瞳。ついさっきまで緊張していたとは思えない。

数十秒の沈黙。

親父は呆気に取られていた。

まあ、驚きもするだろう。

正直、俺も沙羅の言動に驚いている。

俺でも言えないような事を親父に向かって面と向かって言うなんて……。

総理大臣でも言わないな。

やっぱり沙羅は凄い。あいつのこういうとこ好きなんだよね。彼女に惚れ直してしまった。
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