俺様常務の甘い策略
私にこんなに怖い思いをさせて……。

颯介が助けてくれなかったらと考えると、身体がゾクッとしてくる。

「大丈夫だった?」

いつの間に戻ってきたのか、颯介が私の肩に手を置く。

「……うーん、大丈夫。ちょっとビックリしたけど」

私が顔を上げて颯介の顔を見ると、こいつはフッと笑った。

「そう?声が聞こえたから、気になってね」

颯介が間に合ってくれて本当に良かったと思う。

一分でも現れるのが遅かったら……最悪の帰省になってたかも……。

婚約者以外の男性……しかも、従兄にキスされるなんて最悪だ。

私が部屋に戻ってから二人はどうしたのだろう?

颯介がそのまま涼太を見逃すとは思えないけど……。颯介だって私がキスされそうになったのはわかったはずだ。

食事に誘ってくれただけの和久井さんの時だって結構扱いが酷かったし……。

「涼太はどうしたの?」

気になってそう聞けば、颯介は平然とした顔で答えた。
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