俺様常務の甘い策略
余計な事は知らない方が良いだろう。知ってしまえばきっと彼女は困惑するに違いない。
沙羅が客間に戻ると、俺は涼太と向き合う。

「もう酔いは覚めたんじゃない?今夜はやけ酒のつもりだった?」

俺の言葉に涼太がカッとなって叫ぶ。

「うるせー、お前には関係ないだろ!」

「関係ないわけないよね?人の婚約者に手を出そうとしたのは誰だっけ?」

涼太を睨み付けて冷ややかに言えば、こいつは俺から目を逸らした。

「人のものになると思ったら急に沙羅が惜しくなった?」

「黙れよ!」

涼太が声を荒げるが、俺は止めなかった。

「耳に痛い?酔った勢いで好きな女襲うなんて最低じゃないかな?沙羅が怖がってたのがわからない?少しは痛みを味わえよ」

凄みのある声で涼太に告げると、俺はこいつのみぞおちに一発食らわせた。
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