俺様常務の甘い策略
……ほんと、人の話を聞かないじじいだな。

「この会社の為に戻って来たんですよ。トップに立つのも面白いと思って」

俺はフッと微笑する。

人生にはいろんな選択肢がある。

代々政治家の家に生まれたが、俺は政治家にはならず大学卒業後は渡米してビジネスマンになる道を選んだ。

入社した会社は世界最大の石油会社。

入社二年目にCEOのジョージ・スコットの目にとまり、彼の手足となってアフリカやアラブの産油国の政府高官と交渉をしてきた。命懸けで紛争地域に行った事も何度もあるし、政府との交渉が決裂して、危うく拘束されそうになった事もある。

スパイ映画の世界を地でいっていた。

慌ただしい日常。ジョージに新たなポストをオファーされていたが、ちょうど田崎常務の事件があって俺は風間物産に入ってじいさんの跡を継ぐことを決意した。

じいさんには後継者の件で、小さい頃から「私の跡を継いでくれ」とよく口説かれていた。じいさんには息子がいない。

小さい頃、両親が選挙活動で忙しい時はよくじいさんの家に預けられていたせいか、俺は彼にかなり気に入られていた。
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