俺様常務の甘い策略
常に女には囲まれていたけど、特定の女っていなかったような気がする。

「さあ?大学卒業してからはずっとアメリカにいたし、いないんじゃない?」

そもそもあいつに結婚する気などあるのか甚だ疑問だ。

一生遊んで暮らしたいタイプじゃないだろうか。

結婚=棺桶に片足突っ込むくらいに考えてるような気がする。

「じゃあ、私にもチャンスがあるという事ですね」

田中さんが珍しくにっこり微笑む。

チャンスってあなた、今朝は藤堂に邪険にされていたじゃない。

それなのに、あいつを狙うって……。

懲りないと言うか……立ち直りの早い女。

それにしても、あいつ……今朝は何であんな真似をしたのだろう。

からかうにも程がある。

非の打ち所のないモデルのような綺麗な顔、誰をも魅了するあの自信に満ちあふれた瞳。

藤堂が顔を近づけてきた時、正直キスされるかと思った。
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