俺様常務の甘い策略
「……はいはい、やりますよ。さっさと終わらせればいいんでしょう?」

仏頂面でパソコンの画面とにらめっこする。

今日は食事抜きかも。藤堂め、覚えてなさいよ。食べ物の恨みは怖いわよ。

「そういう事。ちゃんとわかってるじゃないか、偉いよ、秋月」

「人の事おちょくってるでしょう?」

「精一杯褒めてるよ」

藤堂がクスッと笑う。

……精一杯って。藤堂め。何様だ。

ムスッとしながら、藤堂にいくつかアドバイスをもらい文化祭のプログラムを作成していく。

集中して作っていると突然、お腹がぎゅるるっと鳴った。

「あっ……」

お腹を手で押さえるが、私のお腹は憎らしいくらい大きな音を鳴らして空腹を訴え続ける。

止まれって思うのに、余計にお腹の音は大きくなる。

この大きな音、絶対藤堂にも聞かれてる。

チラリと向かい側の席にいる彼に目を向ければ、彼はじっと私を見ていたのか目が合った。
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