Lost Love~恋の序章~



「それにさっき約束したろ」

「約束…」

って、したっけ?

「やっぱり覚えてないか。ま、いいや」

確か…カクテルがどうのこうの。

今度は…

「ミモザ!」

「おっ!覚えてるか」

よしよしと言うように頭を撫でて

「そうだ、明日予定あるか?」

明日?

「べ、別にないよ」

話しがころころ変わるから頭がついていかない。

ミモザはどうなったの?

「明日もデーゲームだから見に来いよ。で」

「……」

ニヤリッと笑い

「終わったらデートしよ」

「デ、デ、デート?!」

「ククク…陽菜ちゃんデートつう度に驚くなよ」

いや、やっぱり驚きますから。

「隼人お兄ちゃん、からかって」

「ないから。いい加減に俺の言うこと信じなさい。な!明日おいで」

久しぶりの隼人お兄ちゃんの試合。

見たいけど『デート』って言葉に胸がドキドキして騒がしい。

顔に熱が集まる。

「陽菜ちゃん」

「あ、えっと…」

そ、そうだ。

「明日試合に勝って、隼人お兄ちゃんがホームラン打ったらデートする」

「……」

「……」

「よし!その賭け乗った」

えっ?

「明日ホームラン打って試合に勝つ。だから陽菜ちゃんも約束守れよ」

「……」

「なっ!」

「う、うん」

「よし、賭け成立」

やっぱり隼人お兄ちゃんには敵わない。

「さ、帰ろう」

さっさと席を立ち店を出ようと。

本当にせっかちさん。

フフッ 誰かさんに似てる。

「陽菜ちゃん、早く」

「ちょっと待って」


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