Lost Love~恋の序章~
「じゃあ、明日待ってるからな」
「うん」
「約束忘れんなよ」
「う、うん」
「ミモザご馳走するから。じゃあな」
私を降ろしてタクシーは遠ざかって行った。
ふと空を見上げると
「星が綺麗」
東京でもこんなに星が見れる時もあるんだな。
そう言えば最近空を見上げることもなかった。
――
―
なんだか目まぐるしい一日だった。
悠ちゃんの結婚式から始まって、何故か隼人お兄ちゃんと賭けをして終わった。
隼人お兄ちゃん…
なんだろ?
今までも大好きなお兄ちゃんだったけど、こんなにドキドキしたことはない。
ううん、悠ちゃんに対してもこんなにドキドキしたことはない。
なんか…変に意識している。
これから隼人お兄ちゃんにどんな顔して会ったらいいんだろ?
なんだか恥ずかしい。
それにミモザ。
なんで拘るんだろ?
さっき飲んだのは確か…
メリー…
そう、 メリーウィドウ!
有名なオペラのタイトル。
『もう一度素敵な恋を』
あのヒロインにかけてるのね。
じゃあ、ミモザもなんか意味があるのかな?
どんな意味かしら?
あ~気になる。