めくるめく恋心
とにかく無我夢中で走った。来るときはあんなにゆっくりだったのに、今はよく景色が見えない。

駅についてトイレに駆け込んだ。

トイレの個室に入った瞬間足の力が抜けて膝から崩れ落ちた。上手く呼吸ができない。苦しいよ。けど、それ以上に胸が苦しい……痛い、潰れちゃいそう……。


「しゅ、ちゃ……っ。」


ほんの少しの時間だった。それなのに秋ちゃんの姿が頭から離れない。

思い出の中の大好きな笑顔よりも、さっき見た困惑と怒りの籠った顔が浮かぶ。あんなに拒まれるなんて思ってなかった。

手に握ったままの手紙はくしゃくしゃで、それは余計に私の涙を煽った。

スカートのポケットからスマホを取り出しうーちゃんの番号を出した。けど電話を掛けられなかった。

部活中でも今電話をすればきっと駆けつけてくれる。それが分かっているから、電話しちゃいけないと思った。いつまでもうーちゃんに頼ってばっかりで、甘えて私の事情で振り回しちゃいけない。

そうは思っても、一人でどうすればいいのか分からなくて、ただ馬鹿みたいにトイレの個室で泣くことしかできなかった。





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