期間婚〜彼と私の微糖な関係〜


「何その顔?」

苦笑いを堪えてる私に気づき、千秋君が漫画をおいて私の隣に座り、顔を覗き込んでくる。


「いや、別に?経験豊富そうなのになーって思っただけだよ。」

「それはチャラいってこと?」

あからさまに不貞腐れ顔をされてつい、そっぽを向くとクイッと顎をひかれる。


「俺は、父さんや兄さんのせいでこうなったの‼」と真剣な眼差し…

だけど…

その…

手を離して貰えませんか?

近くて…

困る。



「分かったよ。」

「分かってないよ。チャラいと思われるのは嫌いなんだ。」

「チャラいなんて言ってないけどさ…

どうして、本気の恋ができないのかな…?」


「恐いからだよ。みんながみんな、ちょこみたいに、純粋で、一途なわけじゃない。

実家が金持ちってだけで、近寄ってくれば、俺は普通と知っていなくなる。

世の中、そんな女が多いんだよ…」

「それは…たまたまじゃない?私もそうだけど、千秋君も恋に関してはまだ初心者なんだよ…

ただ、それだけじゃない?」

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