『雲に隠れし夜半の月』
チャイムが鳴り、1時限目の授業は、国語、
先生が入ってくると、担任である、小野乃町子先生であった。
生徒からは、「まちこ先生」と呼ばれていた。

「そうそう、式部さんに国語の教科書、みせてやって、若草くん、」

その若草四郎は、何も言わずに、式部の机の上に教科書を乗せる。

「ありがとう、」

若草四郎は、にゃっと微笑みを浮かべる。

こうして、式部香子の学院生活が始まった。
両親とも、日本人で言葉には苦労しないですむ。
父親の母が、スウェーデン人で、いわば、クゥオターである。

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