夢色約束

理想と現実

「じゃあ、今日はこれで終わりにします。お疲れさまでした。来週からまたはじめていくのでよろしくお願いします」

おわったー!!


「おつかれさま、香里奈ちゃん。光さまによろしくね」


「うん」


「水月、光に早く来るように言っといて」


「はーい」


「光さまによろしく」


「わかった」

光はみんなの人気者だね。


「香里奈」


「由羅」

帰る用意を済ませ、帰ろうとしている私のところに由羅がよってきた。


「どうかしたの?」


「帰りどうするの?」


「そうだなぁ…光が心配すると思うから車かな…」


「じゃあ、一緒に待っとこうよ」


「うん、そうだね」

私たちはお互い連絡して迎えを呼んだ。


「ねぇ、由羅」


「なに?」


「劇、どのへんまで決まったの?」


「んー大まかにはだいたい終わったよー」

え!?


「はや!」


「ふふふ、でも、まだ細かい修正がねー」


「そんなことまでしてくれるの?」


「当たり前でしょー?監督なんだから!」


「あぁ、そうだったねー」


「まぁ、本人たちの演技で変えるところもあるだろうけど?」


「…よろしくお願いします」


「はーい」

私たちは笑い合った。


「香里奈」

そして、そんなことを話していると…


「光!?」

迎えの車から光が出てきた。


「あら、光くん。大丈夫?」


「ああ」


「外の出ちゃダメじゃない。ちゃんと休んでないと」

悪化しちゃう!


「大丈夫だって」


「大丈夫じゃない!早く帰るよ?」


「ああ」


「ふふふ、」

急に笑い出した由羅。


「由羅?」


「西園寺?」


「なんか、ふたり見てると面白いなーって。やっぱりふたりを主役にして正解だったよ」


「…由羅」


「んー?」


「がんばるからね」


「期待しとく!」

私たちは敬礼し合って、由羅の迎えの車が来るのを待ち、帰って行った。
< 34 / 261 >

この作品をシェア

pagetop