願い橋。【短編】
‐願い橋‐
-願い橋-

この町に古くから伝わる、ある昔話。


昔々、この橋の上である女性が毎日毎日願い事をしていたそうです。


その女性には長年待ち焦がれていた男性がいました。

その男性に再び出逢えるようにと毎日毎日、この橋の上で願いをかけていたそうです。


雨が降る日も、晴れの日も、雪が降る日も、来る日も来る日もその女性は願っていました。


時が流れいつものように橋の上で願いをかけていると、長い間待ち焦がれていた男性が現れました。


そうして二人は永遠に幸せに暮らしました、とさ。


それ以来、この橋の上で願いをかけると、その願いは叶うようになっていったそうです。


そうして、いつしかこの橋は"願い橋"と呼ばれるようになりました。


これが私達の住んでいる町に古くから伝わる話。


嘘か本当か分からないようなお伽噺のような話。

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