ラヴ・ラヴァーズ・キス
慌てて、鞄の中に手を突っ込んだ。

「はいはい。」

「あ、瑞葉?」

「何、どしたの?」

朝ごはんを食べて、母も仕事に出たは知ってる。

今日が最終出社になるって。

長く勤めた会社だったから、それなりに感慨があるみたいで、寂しいって言ってたけど

「何かあった?」

あ、けどまだ会社にも着いてない時間か……?

「あ、違うの違うの。私は何にもないんだけど言ってなかったな、と思って。」

……嫌な予感だ。

「何を…?」

「今日は残業しないで帰ってきてね?」

「何で。」

「えー、うふふ。」

うふふじゃなくて!

「だから何でって。」

「今夜、みんなでお食事しましょうって、言われてるの。」

……

「あ、大丈夫、瑞葉の着るドレスは用意しといたから。悠人さんに選んで貰ったの、とっても可愛いターコイズブルーのドレスなのよ。」
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