青春に、寄り道中。



「大丈夫?」

「……うん、ありがとう」



高瀬くんが差し出してくれた手に掴まって、ゆっくりと立ち上がった。



そして近くにあった花壇の端に、高瀬くんにうながされるようにして座った。

そんなわたしの隣に、高瀬くんはひとりぶんくらい空けて座った。



「あの、高瀬くん。 ……ごめんね」



涙を拭って、ぽつりとそうつぶやいた。

高瀬くんの顔は見れなかったけど、なにも返ってこなかったから、ちらっと見てみると、不思議そうな顔をしていた。



「高瀬くん、陸上から離れてたのに、わたしがマネージャーやらせちゃったから」

「……その話、だれから聞いた?」



いつもみたいに優しくなくて、初めて話したときみたいに冷たい顔。


ちょっと怖くて視線を泳がせながら、沙莉の名前を挙げた。


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