鬼姫伝説 Ⅱ
目をあけると、鬼羅が私を見つめてた。
とても、悲しそうな苦しそうな表情で。
でも、頭が痛くて、くらくらして自分で立つこともままならなくて、声を発する気力もない。
私の身体、一体どうしてしまったんだろう。
やっぱりここは眠っていた小屋の中ではないし。
毎日のように鬼羅の腕の中で目を覚ます。
私、夢遊病かなんかなのかしら。
「き・・・ら・・・」
掠れた声で鬼羅を呼ぶ。
揺れた瞳が私を捕らえた。
どうしてそんな顔をしているのか。
「しゃべらなくてもいい。布団に運んでやる。少し休んでいろ」
「・・・ん」
なにも考えたくないの。
体がだるくて、まるで自分の身体じゃないみたい。
苦しい。
それは、身体か心か・・・。