麗雪神話~青銀の王国~
口づけは、息もできぬほど長かった。

最初押し当てられるだけだったそれは、やっと離れたかと思うと、角度を変え、勢いをつけて再び重ねられた。

体も頬もおさえこまれているので、逃げ出すこともできない。

「んっ………」

貪るような乱暴な口づけに、息がもれる。ディセルには似合わない、乱暴な口づけ。

気が遠くなる。

セレイアは混乱する頭で、思った。

(なんで、こんなこと、するの……)

胸にずきりと痛みが走った。

それは甘い痛み…。脳裏にヴァルクスの面影が蘇る。

何度も何度も口づけした、その感触が蘇る。

セレイアは全身で抗い、やっとディセルを突き飛ばした。

「~~~~~~~っ」

何も言葉にならなかった。

なんでこんなことをされるのか、理解できない。

まったく理解できない。

ディセルは、今にも泣き出しそうな顔をしていた。

泣きたいのはこっちのほうだと思うと同時に、自分が彼を傷つけているような気がした。

ひたすらに胸が痛かった。

「な、んで……」
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