麗雪神話~青銀の王国~
第六章 幸せになれぬ理由(わけ)
1
(俺、なんであんなこと…)
ディセルは、与えられた豪奢な客室で、一人頭を抱えていた。
昨夜、舞踏会からセレイアを連れ出して、それで―――
セレイアがセレスとの仲を否定してくれないから、つい我を忘れた。
セレイアの柔らかな唇の感触。一度触れたら、止まらなくなった。
何度も唇を重ねたことを思い出し、ディセルは赤面する。
ちょっと思い出すだけで体がざわめく。
口づけしたことは、後悔していない。想いを伝えたかった。その気持ちを否定したくない。
後悔しているのはそのあとだ。
(なんで挨拶だなんて言っちゃったんだ……)
天上界の挨拶だなどと、口から出任せなのだ。
あの時言うべきセリフは、もっとほかにあったはずだ。
好きだと、言えばよかった。
けれど、言えなかった。
拒絶されるのが怖かったのだ。
絶対に拒絶されると、わかっていたから……。
ディセルは自分の弱さにうんざりして、頭を抱えているのだ。
(挨拶だなんて言ったら、絶対、嫌われるじゃないか。もう絶対嫌われた。ああああなんてバカなんだ俺は!)
セレイアの平手打ちはかなりの痛みとなって心に残っている。
セレイアを救い出すにはどうすればいいのだろう。
こんな状態で、本当に彼女は自分についてきてくれるだろうか?
最終試練の日は着々と近づいてきている。
もうあまり時間がないのに…。
(あああ俺のバカ、バカバカバカ…も、もうだめだ……おしまいだ)
ディセルは悶々としながら、ベッドに突っ伏すのだった。
ディセルは、与えられた豪奢な客室で、一人頭を抱えていた。
昨夜、舞踏会からセレイアを連れ出して、それで―――
セレイアがセレスとの仲を否定してくれないから、つい我を忘れた。
セレイアの柔らかな唇の感触。一度触れたら、止まらなくなった。
何度も唇を重ねたことを思い出し、ディセルは赤面する。
ちょっと思い出すだけで体がざわめく。
口づけしたことは、後悔していない。想いを伝えたかった。その気持ちを否定したくない。
後悔しているのはそのあとだ。
(なんで挨拶だなんて言っちゃったんだ……)
天上界の挨拶だなどと、口から出任せなのだ。
あの時言うべきセリフは、もっとほかにあったはずだ。
好きだと、言えばよかった。
けれど、言えなかった。
拒絶されるのが怖かったのだ。
絶対に拒絶されると、わかっていたから……。
ディセルは自分の弱さにうんざりして、頭を抱えているのだ。
(挨拶だなんて言ったら、絶対、嫌われるじゃないか。もう絶対嫌われた。ああああなんてバカなんだ俺は!)
セレイアの平手打ちはかなりの痛みとなって心に残っている。
セレイアを救い出すにはどうすればいいのだろう。
こんな状態で、本当に彼女は自分についてきてくれるだろうか?
最終試練の日は着々と近づいてきている。
もうあまり時間がないのに…。
(あああ俺のバカ、バカバカバカ…も、もうだめだ……おしまいだ)
ディセルは悶々としながら、ベッドに突っ伏すのだった。