麗雪神話~青銀の王国~
セレイアはずかずかと歩いて扉に近づくと、自分から扉を開けた。

目の前にちょっと驚いた顔をして立っていたのは、きれいな白いエプロンを身に着けた、まだ若い侍女だった。

「ここ、どこなの? 私をどうするつもり? あなたも、人さらいの仲間なんでしょ?」

矢継ぎ早に質問すると、侍女は困ったような表情になった。

「それらのご質問には、いずれ主人がお答えになると思います。わたくしからは何も申さぬようにとの主人の言いつけですので、申し訳ございません」

「何よそれ! 主人って誰!? 私を宿に返してよ!」

「お食事は部屋にお持ちいたしますか?」

だめだ。埒が明かない。

この侍女からこれ以上情報を得るのが無理ならば、できる限り自分で情報を得ていくしかないだろう。

「…わかったわ。食事とやらに連れて行ってもらおうじゃないの!」

やけのようにそう言うと、侍女はにっこりとほほ笑んだ。

「では、こちらに」
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