麗雪神話~青銀の王国~
(ディセル……)
彼のことを想ったら、泣きたい気持ちの奥から、ふつふつと負けん気がこみあげてきた。
泣いている場合ではない。
彼のもとに帰るために、できることをするのだ!
セレイアはぐっと唇をかみしめると、小さく「…わかりました」と頷いて見せた。
今のところは従順な様子を見せていた方が、何かと有利だからだ。
女王に拝謁できる機会を有効に使うため、セレイアはもうひとつの質問をした。
「それともうひとつ、おうかがいしたいことがございます。
神々のおわす天上界へ、この人間界から行く方法を、何かご存知ではありませんか。私はその方法を探して旅をしているのです」
「…天上界に行く方法? なぜそんなことを知りたいのだね」
女王は目を見開き、セレイアをじっとみつめてくる。
セレイアの中をすべて見透かすようなその瞳に、セレイアはたじろぎそうになったが、ぐっとこらえる。
「理由の詳しいことは、私一人のことではないためお教えできません。何か…ご存知ないでしょうか」
教えるかわりにと、何か交換条件を出されることをセレイアは覚悟していた。
しかし女王はあっさりと答えてくれた。
「残念ながら、わらわでは力になれぬようだ。神々のおわす天上界になど、行った者の話など、聞いたことがない。むろん、そういった物語なら星の数ほどあるゆえ、もし望むなら好きなだけ国立図書館を使うとよい」
―図書館。
それは確かに、いい手だ。
「…ありがとうございます」
その後は少女たちが一人一人、女王と言葉を和やかにかわし、謁見は終了となった。
彼のことを想ったら、泣きたい気持ちの奥から、ふつふつと負けん気がこみあげてきた。
泣いている場合ではない。
彼のもとに帰るために、できることをするのだ!
セレイアはぐっと唇をかみしめると、小さく「…わかりました」と頷いて見せた。
今のところは従順な様子を見せていた方が、何かと有利だからだ。
女王に拝謁できる機会を有効に使うため、セレイアはもうひとつの質問をした。
「それともうひとつ、おうかがいしたいことがございます。
神々のおわす天上界へ、この人間界から行く方法を、何かご存知ではありませんか。私はその方法を探して旅をしているのです」
「…天上界に行く方法? なぜそんなことを知りたいのだね」
女王は目を見開き、セレイアをじっとみつめてくる。
セレイアの中をすべて見透かすようなその瞳に、セレイアはたじろぎそうになったが、ぐっとこらえる。
「理由の詳しいことは、私一人のことではないためお教えできません。何か…ご存知ないでしょうか」
教えるかわりにと、何か交換条件を出されることをセレイアは覚悟していた。
しかし女王はあっさりと答えてくれた。
「残念ながら、わらわでは力になれぬようだ。神々のおわす天上界になど、行った者の話など、聞いたことがない。むろん、そういった物語なら星の数ほどあるゆえ、もし望むなら好きなだけ国立図書館を使うとよい」
―図書館。
それは確かに、いい手だ。
「…ありがとうございます」
その後は少女たちが一人一人、女王と言葉を和やかにかわし、謁見は終了となった。