麗雪神話~青銀の王国~
「なんと無礼な…」
廷臣たちの冷たい視線が刺さる。
「よい。そなた、確かセレイアと言ったな。ふふ、面白い、申してみよ」
女王に発言を許可され、セレイアは真剣に言い募った。
「私は、ただの旅の者でございます。偶然この国に滞在していたところ、思わぬかたちで青幻獣と触れ合ってしまっただけなのです。こんな私が女王候補など、おそれおおく、辞退したいと思います。ほかにも立派な方々がそろっていらっしゃるようにお見受けします。どうか、私を帰してはくださいませんか?」
謁見の間に沈黙が落ちた。
女王はふむ、と顎に手をやって何やら考え込んでいる。
そして簡潔にこう言った。
「…ならぬな」
「…!!」
その言葉は、セレイアの胸に冷水を浴びせた。
わずかな望みが打ち砕かれた…その冷たさ。
「青幻獣が、偶然でラピストリ候補を選ぶことなどあり得ぬ。
そなたはラピストリの資格ある娘なのだよ。
わらわとしても、国としても、一度ラピストリ候補に選ばれたそなたを、試練が終わるまではもう帰すことはできぬ。諦めよ」
「そ、そんな……」
セレイアの目に涙がにじんだ。
試練はいつ終わるのだろう。
自分は本当にディセルのもとに帰れるのだろうか。
廷臣たちの冷たい視線が刺さる。
「よい。そなた、確かセレイアと言ったな。ふふ、面白い、申してみよ」
女王に発言を許可され、セレイアは真剣に言い募った。
「私は、ただの旅の者でございます。偶然この国に滞在していたところ、思わぬかたちで青幻獣と触れ合ってしまっただけなのです。こんな私が女王候補など、おそれおおく、辞退したいと思います。ほかにも立派な方々がそろっていらっしゃるようにお見受けします。どうか、私を帰してはくださいませんか?」
謁見の間に沈黙が落ちた。
女王はふむ、と顎に手をやって何やら考え込んでいる。
そして簡潔にこう言った。
「…ならぬな」
「…!!」
その言葉は、セレイアの胸に冷水を浴びせた。
わずかな望みが打ち砕かれた…その冷たさ。
「青幻獣が、偶然でラピストリ候補を選ぶことなどあり得ぬ。
そなたはラピストリの資格ある娘なのだよ。
わらわとしても、国としても、一度ラピストリ候補に選ばれたそなたを、試練が終わるまではもう帰すことはできぬ。諦めよ」
「そ、そんな……」
セレイアの目に涙がにじんだ。
試練はいつ終わるのだろう。
自分は本当にディセルのもとに帰れるのだろうか。