麗雪神話~青銀の王国~
セレイアがさらに言い募ろうとしたとき、朗らかな女性の笑い声が間に割って入った。

「色男、空のセレスも形無しだな? セレスよ」

聞き覚えのある声だった。

それも先程、聞いたような―――…

セレイアがぎょっとして声のした方を振り返ると、そこには案の定、銀のドレスに銀の王冠をまとった女王フィーヴルが立っていた。

「これはこれは女王陛下。ご機嫌うるわしゅう」

セレスが跪いたので、セレイアも跪くべきかとおろおろしてしまう。

とりあえず慌てて頭を下げようとしたら、「よいよい。堅苦しい礼儀は抜きじゃ」と女王が微笑みかけてくれた。

「少し時間ができたのでな、騎士団の視察に来たら、面白いものが見られたわ。国中の女性たちが憧れる空のセレスが、なんとなんと。恋とはうまくゆかぬな。
ふふ、セレイア、お礼に、なんでもわらわに質問してよいぞ。もっと、聞きたいことがあるのだろう?」

「え………」

謁見の間では問いにくいことも、今なら問えるだろうと女王は言ってくれているのだ。

その気遣いに、セレイアは感謝した。

そして、この機会を有効に使おうと決めた。
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