麗雪神話~青銀の王国~
致し方あるまい。

二人がここにいるということは、何らかの形でセレイアを救い出すため、動き出してくれているということなのだから。

二人がせっかく創り出してくれた機会を、邪魔してはならない。

セレイアは駆け出して行って飛びつきたい衝動をこらえ、何食わぬ顔で用意された席についた。

「ラピストリ候補の淑女の方々には、ご機嫌麗しゅう。
これより我々が、炎と雪の芸をお見せします。
すこしでもそのお心が安らぐ助けになることを祈って…」

サラマスがゆったりと口上を述べ、芸は始まった。

二人の神としての力を存分に使った、見ごたえのある芸だった。

セレイアは食い入るように二人の姿をみつめながら、彼らからなんらかの接触がある瞬間を待った。

ここまでノープランでやってきたはずがない。

彼らは必ずなんらかの形でセレイアに接触してくる。

それを逃してはならない。

どんなささいな情報も、見逃してはならない。

芸が終わった。

一礼した二人のうち、ディセルがまっすぐに二人のラピストリ候補を―セレイアを、見つめる。

二人の視線が合った。

それだけで、何かするつもりだとわかる。
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