さぁ、オレと恋をしてみようか
「じゃあ、ちょっと送ってくるわ。新井さん、美和子のメンドウお願いします」
「なによ!〝メンドウ〟って!!」


この2人って、ホント仲良いよね。長い間〝夫婦〟っていうのもあるのかもしれないけど、こんなふうに楽しく会話できたら楽しいだろうな。


わたしも千織さんと、いつか敬語ナシで喋れるようになれるかな…?


「もう、剛史さんも美和子さんもイチャつくなら、帰ってからにしてくださいよ。芽衣子ちゃんが、かわいそうですよ」
「やだっ、ごめん!芽衣子ちゃん!剛史、お願いね」
「あぁ、ごめんな?芽衣子ちゃん。じゃあ、行こうか」
「あっ、はい。すみません、お先に失礼します」


頭を下げて、剛史さんの後ろを追いかける。


それにしても、新井さんスゴイな。〝イチャつくなら帰ってからにして〟なんて…。


居酒屋を出て、夜の道を剛史さんと並んで歩く。


「大丈夫?芽衣子ちゃん」
「え?あ、はい…」
「ただのお節介になると思うけど、たくさん人生の先輩は近くにいるからさ、どうにもならなくなったら、いつでも相談しにおいで。アドバイスできるかどうか、わかんないけどオレも話は聞けるからさ」
「え…」


もしかして剛史さん、なにか気付いてる…?


って、この言い方はどう考えても、わかってるよね。


< 115 / 283 >

この作品をシェア

pagetop