さぁ、オレと恋をしてみようか
「なに、惚れた?」
「は?」


わたしは、お母さんの言葉に顔を顰(しか)めた。


何を言ってんだか、この人は。


「だーかーらー。芽衣子が、オトコの話するなんて、珍しいと思って!」
「やっ、だから、それは、そういうことじゃなくて!!」
「はいはい。とりあえず、賢太くん帰ってくる前にプリン食べよ!芽衣子の恋がうまくいくように、祈りながら!」
「はぁっ!?」


なに言っちゃってんの、この人は。


わたし、一言も〝好き〟だなんて言ってないし!!


気になったけど、そっちの気になったじゃないし!!


「はい、プリンとスプーンね」
「………」


お母さんは、わたしが怒ってるのを気にすることなく、プリンのフタを剥がして、スプーンと一緒に渡してきた。


それを無言で受け取る、わたし…。


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