さぁ、オレと恋をしてみようか
えっと……どうしようかな。どうやって話を切り出そうか悩んでいると、お母さんが口を開いた。


「芽衣子」
「………」


さっきまで幸せそうに、ごはんを食べていた芽衣子は、急にクチビルを噛み締め、チラチラと母親の顔を見た。


「はぁ……もう。千織くん、ごめんね。本来なら、芽衣子と2人で話すべきなのに、この人がヤキモチ妬いちゃうから…」
「ヤキモチじゃない。父親として当然だ!」
「もう、うるさい。賢太くん」
「なっ…!」
「いえ、あの…お母さんは、ご存知なんですよね…?その、芽衣子がオレと別れたいって思った理由を…」
「え?あ、そうね…」
「芽衣子が言いづらいことなら、お母さんから聞かせてもらえませんか?」


芽衣子自身が言いづらいことなら、お母さんに聞くしかない。


「あー、うーん……」


お母さんは少し戸惑いながらも、まっすぐオレの目を見た。


「こんなこと聞くのおかしいとは思うんだけど…。付き合って1ヶ月経ったのよね?」
「え?あ、はい。そうですね」
「それで…その…キス…」
「はい…?」


今〝キス〟って言ったよな…?いったい、なにを言われる…?


「だから…その…。キス、はまだしてないのよね…?」
「えっ?えーと、まぁ、そう…です、ね」


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