さぁ、オレと恋をしてみようか
『木原ってさぁ、ビミョーだよなぁ』


あの時の言葉が、頭ん中をグルグルとまわる。


そう、わたしはビミョー。〝カワイイ〟なんて社交辞令。


あー、ダメだ。あん時のことを思い出すと、泣きそうになる。


ギュ、と目を瞑り小さく頭を振ると、お兄さんに声をかけた。


「ねぇ、お兄さん」


もう、話題を変えよう。


「んー?」
「〝若い子〟って言ってたけど、お兄さんだって若いですよね?」


だって、どう見ても30歳くらいか、もしかしたら28歳とか29歳…下にも見えるんだよね。


すると、お兄さんは、ふふんと企みのある顔で笑った。


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