暁天の星
【ハルト】
シリウス。
青星。
帰り道、ふと空を見上げた先に在った星。
漆黒の夜空に、無数の星が光ってる。
こんな景色を、もう何回見たか分からない。
もう癖なんだな。きっと。
それはきっとお前のせい。
…胸糞悪い。
考えるのはやめにして、純粋に空を見上げてたあの頃を思い出した。
いや、あの頃だって純粋なんかじゃなかったか。
ただのクソガキ。それだけ。
そんなクソガキにも揺れる背景があったわけだけど、さ。
でもなんでだろう。
どうしても俺を締め付けるもののを存在を、俺は多分、一生否定することなんでできない。
息が上手くできない。
もうずっと長いことそうだ。
景色は変わらず、今と同じものなのに。
どうしても違って見えてしまう。
それは多分、お前らのせいで。
だけど確かに、お前らのおかげで。
暗闇の中で見つけたものは、あの頃と何も変わらない美しい眺めだった。