地味優等生→リアルシンデレラ ～みつけてください王子さま～

＊

　私の一日はまず、朝日を浴びて大きく伸びをしながら深呼吸することから始まる。

　それから、まだ家族が起きていない静かなリビングを通り、キッチンで朝食の準備をする。

　すると、我が家の愛犬リッキー君(クリーム色のミニチュアダックスフント)が起き出して、私の足の周りを忙しなく往き来する。

　朝食と並行してお父さんと私のお弁当も作るので、冷蔵庫と電子レンジなどの間を往復するが、リッキー君も忙しそうにそれについてくるので「もう少し待ったらご飯だからね」と言うと、しっぽを最大限に振り、一鳴きして返事を返してくれる。

　さすがは我が家のリッキー君、と親バカな事を一人ごちて朝食とお弁当を作り、席につく。

　誰もいないが、ちゃんといただきますと手を合わせ、食べ始める。

　あったかいお味噌汁は、夏だって美味しい。一口すすってほっと息をつくと、リッキー君が膝に短い足を乗せてぴょこぴょこ跳び跳ねる。

「リッキー君、待ては？」

　目を見て言えば彼は大人しくお座りをした。

　……なんて賢くて可愛いんだろう！

　思わずにやけてしまい、リッキー君の触り心地が最高に気持ちいい頭を撫でる。