いつかウェディングベル
加奈子は企画終了後に俺達の関係を話すつもりだったようだが、今回の吉富の行動が加奈子の気持ちを変えさせた。
加奈子が納得したことで俺は明日には吉富を会議室へ呼び出し俺と加奈子が想いあっていることを話すつもりだ。
そして、これまで加奈子は吉富のサポートを受けたことに感謝しつつも、これからは俺のサポートを受け幸せな生活を送るつもりだからと説明する予定だ。
吉富は完全に加奈子に失恋し動揺しなければいいがとそれを心配する。
かなり加奈子への思い入れは強いようで、専務の俺に牙をむくほどだから失恋した吉富が加奈子に危害を与えるのではないかとそこまで考えてしまう。
その夜は、吉富がどう反応するのかがとても気になりなかなか寝付けなかった。
俺はこんなにも神経質で小心者だったろうか?と思いたくなるほどに気にかけている。
これが俺一人の問題ならば適当に対処するのだが、今回は加奈子が絡んでいる。息子の芳樹を巻き込むようなことは絶対にしたくない。
芳樹の父親について吉富に質問されたらどう答えるつもりかと加奈子に聞かれた。
俺は正直に話すつもりだ。元彼氏はDV男と噂が出ているがそれは真っ赤な嘘だと説明するつもりだ。
だが、吉富には詳しい説明をする必要はない。だからそれ以上は話すつもりはないし俺達のことに口は挟ませない。
これだけ加奈子と話し合い打ち合わせをした上で明日に臨もうとしているのにかなり気分が高まっている。
きっと、気分の高まりは吉富への警戒心と不信感からきているものだろう。
今は、明日に備えしっかり眠ることだ。
そんな事を考えていたら俺はいつの間にか眠っていた。
眠ってしまうと俺は吉富への警戒心も不信感も全く無縁の加奈子との楽しい夢を見ていた。
ベッドの中で加奈子のほのかな香りが鼻を突き、それが俺に心地よい夢を見せてくれた。
そんな心地よい夢には吉富のような輩は一人も出てくることはなく俺にとっては楽園そのものだった。