いつかウェディングベル
気持ち良く眠れた日は気分が良く、今日は吉富の問題もスムーズに解決するものだと信じていた。
だから、何時ものように一緒の車で会社へ出掛け、会社の地下駐車場へと車を停める。
「今日の問題が解決したら他にもまだ話し合いたいことが色々あるんだ。」
「それって急ぐこと?」
「出来れば今日の問題同様早くケリを着けたいんだ。」
「だったら強引に話し合いを持つことね。」
悪戯っ子の様な笑いに俺は加奈子を抱きしめて激しいキスでもしてやろうかと思った。
悔しいけれど加奈子より俺の方が逆上せている。俺は加奈子を手に入れてから益々加奈子が愛しくなるばかりだ。
少しでも加奈子と離れていたくない想いが強まるのに、加奈子はそんな素振りは全く見せない。それが寂しく感じると加奈子は知っているだろうか。
多分、俺の強い想いがそう思わせているのだから加奈子には理解できない想いなのだろう。
「何考え込んでるの?」
「いや、今日も加奈子は素敵だと思ってね。」
「あら、透だって素敵よ。私には透が最高の人なんだから。分かってるの?」
「ああ、分かってるよ。」
加奈子にそんなセリフを言ってもらえる日は天国に上るような気分になる。最高の一日になりそうだ。
いつも、ここはひっそりとした駐車場だ。つい、俺も加奈子もいつもの様に寄り添うとキスをしたくなる。とっても甘く痺れるようなキスだ。
二人だけの時間を楽しみたいと俺も加奈子も抱きしめあってキスをしていた。
静かな駐車場に二人の重なる唇の音が響いている。それが俺も加奈子も気分が高められますます離れられなくなり激しいキスに変わっていく。
「朝から精がでますね。お二人とも。」
いきなり背後から聞こえて来た声は吉富だ。
俺は咄嗟に加奈子を抱き寄せ俺の背後へと押しやった。吉富はかなり怒りの表情を剥きだしにして俺への敵対心は完全に隠せなくなっていた。