彼女の疑問!
ATMがかなり混んでたから窓口の方に行った矢先、男の怒鳴り声が響いた。「全員床に伏せろ!一言もしゃべるなよ!動いた奴は撃つからな!」銀行強盗だ!ヤバいヤバいヤバい…とりあえずキョトン顔の彼女を引っ張りながら床に伏せる。
こーゆー場合は大人しく言うことを聞いておくもんだ。強盗は銃を向けながら窓口の女性に怒鳴る。「おらぁ!そこの女!このカバンに詰めれるだけ金詰めろ!妙なマネしやがったらぶっ殺すからな!」窓口の女性は怯えながら震える手でカバンに札束を入れている。そうそう、逆らわず逆らわず。ひとまず穏便に済ませてから、後は警察に任せよう。と思ってチラリと彼女を見ると…立ってるーッ!!てか、強盗に向かって歩いてるーッ!!そして彼女は強盗に「それ!その『ぶっ殺す』の『ぶ』ってなんだろうね?ただ『殺す』だけで良くない?」ああああ!なにやってんだよマイハニー!俺はどうしたらいい!?何ができる!?教えて神様!「それは、あの、あれだねぇ…」俺は震える膝を懸命に抑えながら立ち上がり彼女に言う。「単に『殺す』って言うよりもさ、迫力があるというか、その、強調されるというか、あの、ほら、あれだよあれ…」いつもの即興が出来ない。当然だよな、こんな状況だもんな…俺、ここで撃たれて死ぬのかな…。すると強盗「なんだお前ぇら!グダグダ言ってんじゃねぇ!大人しく伏せてねぇと鉛弾ブチ込むぞ!」ああ、そうですよね…貴方のお仕事は強盗なわけですから、邪魔するやつは皆殺しですよね…「それ!その『ブチ込む』の『ブチ』も『ぶっ殺す』の『ぶ』と同じ!?」やめれーッ!!「うん!同じだね!」俺は必死にしゃべった。俺がうるさくしていれば強盗は彼女ではなく俺を殺すだろう。そして彼女も俺が殺されれば、さすがに大人しくなるはずだ。俺は彼女を守る為にマシンガンの様にしゃべる
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