みんなの冷蔵庫(仮)1
でもそうだと分かった今でも、藤本先輩が素敵ってことに変わりはないけど。

藤本先輩、優しいからきっとあのマイペース男の頼みを断れなかったのね。

ああ、先輩、私のせいで変な事に巻き込んでごめんなさい。


「くららさん」


呼びかける声に思考を中断して顔を上げると、佐田さんが腰を曲げ、怪訝な顔で覗き込んでいた。

目が合うと、ちょっとだけ釣り目の目尻を下げて微笑む。

濃くてキリリと長い眉毛、通った鼻筋、浅黒い肌から、引き締まったサラブレッドを思わせるような精悍な雰囲気。

佐田さんは近くで見ると、とても大人の魅力のある男性だった。



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