みんなの冷蔵庫(仮)1
「あ、はい、全然大丈夫です」


このタイミングで話し掛けられるとは思っていなかったので、不必要に身振り手振りまで付けて答え、すぐにそんな自分が恥ずかしくなり、膝に視線を落とした。


しまった。

せっかく話し掛けてくれたのに、話が終わってしまった。
別に会話せずに目的地まで行ってもいいのだろうけど、何だか話をしていないと不安だった。

ハンドルに添えられた左手を見て、先程京極が言っていた事が蘇る。

確かに薬指にはシンプルなプラチナのリングがはめられていた。


「佐田さんの指輪……」


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