みんなの冷蔵庫(仮)1
怒りがメラメラ燃え上がった私は、とりあえずもう一度拳を振り上げた。


「グーとパー、どっちがいい?」


中腰で構えた私の両腕を、慌ててシグマが横から取り押さえる。

昔は鈍臭いシグマを私がいろいろ助けてやってたってのに、今は凄い力で押さえ付けてきて、グーもパーもなく、一切手出しをできそうもない。


「くららちゃん、暴力反対。落ち着いて」

「そうだ落ち着け。藤本がいなくても、彼より美しい僕と、彼と同レベルくらいのシグマがいればいいじゃないか」


また薄ら笑いを浮かべる男に、私の怒りは頂点へ達した。

素早く右足を後方に引き、奴の胸へ真っすぐに突き出す。


ボス


と鈍い手応えがあり、着地すると、履いてたミュールが脱げていた。


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