みんなの冷蔵庫(仮)1
今までシグマにこんな風にはっきり自己主張された事がないから、私は戸惑う。

今までのシグマと言ったって、ほんの子供の時だ。そんな頃しか知らないんだから、殆ど知らないのと一緒なんだけど。

とにかく私はシグマの腕を解く事を諦め、力を抜いた。


「部屋広いんだから、二人でいよう? 寂しいじゃん」


シグマが腕を離し、シグマらしい――私が知っているシグマらしい――ほんわかした笑顔を見せた。

その人懐っこい笑顔がまた小動物みたいで。

私は「寂しいなんてかわいい奴め」と、母性本能をくすぐられた。


< 310 / 491 >

この作品をシェア

pagetop