みんなの冷蔵庫(仮)1
シグマだって頑張ってる。
というより、シグマは冷蔵庫を開ける事ができるのだから、要は私待ちって事で。
私が冷蔵庫を開けない事には、何も始まらない。

シグマだって真剣なんだ。私が足引っ張ってたらいつまでも前に進めない。
難しい事は後回しで、とにかく私は「冷蔵庫を開ける」ことだけを考えよう。

今はただそれだけを。


私は飲みかけのお茶の入った湯呑みを両手で包み込むように持ち、瞼を閉じた。


視界が遮られ真っ暗な中、深呼吸をした。

頭の中で、あの日見たピンクの石を思い出す。

私はテストを消したじゃない。
あの日確かに消した。

消えちゃえばいいのにと思ったら消えた。

私にはできる。


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