みんなの冷蔵庫(仮)1
「しーちゃん、ジュゴンて動物じゃん」


うなだれる私に、シグマは満面の笑みを浮かべ、首をちょっと傾けた。


「そうだよ」


もう、いい。
そうだ、シグマはこういう奴だった。
全力投球しちゃ駄目だ。
カーブも駄目。気付かないから。

転がすくらいがちょうどいんだ。

シグマに反論することを諦め、反対側の窓の外に目をやると、パンと手を叩く音がした。


「お前達! なぜ僕を無視できる?」


足を組み、ムッとした顔の男を見て思い出す。
忘れてた訳じゃないけど。
そうだった。今はこいつもいるんだ。
面倒くさいのが二人も。

また、ため息が出る。



< 38 / 491 >

この作品をシェア

pagetop