みんなの冷蔵庫(仮)1
自分はこうして手を重ね合わせ、無事を喜び合う儀式には参加してはいけないような、そんな気分になり、重なった二人の手の間から引き抜こうとした。

その時、京極のパンツのポケットからくぐもったバイブ音がした。


「佐田からだろう」


京極は私達から手を離すと、電話を取り出し、通話ボタンを押す。


「どうした? そうか……わかった。じゃあ僕が行くから」


そう言いいながら立ち上がり、私達を見て意味ありげに微笑んだ。


「すぐ戻る。――さっきの続きをしても……いんだぞ」


京極は固まる私を自分が座っていた椅子に強引に座らせ、車輪を利用してシグマの点滴中の左手首横まで押すと、私の手をシグマの手の上に重ねさせた。


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