みんなの冷蔵庫(仮)1
そうだ、金だ。

金目当てだと言っていたのを思い出す。


「十万やるから来い」


咄嗟のひらめきを口にすると、野崎ちよみはその場で跳び上がった。


「行く!」


何か言いたげな佐田の事は、この際見えないフリをした。

外に出るなら着替えたいという野崎ちよみに「車で移動するから向こうで着替えればいい」と言って、着替えを紙袋に詰めさせる。


やっと少しづつ糸が解けだしたのだと、この時は思っていた。


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