みんなの冷蔵庫(仮)1
シグマはちょっと天然というか、自分の世界を持ってるような子供だったから、人の話も聞いていなかったりして、あまり親しい友達もいないみたいだった。

シグマは私の授業が終わるまで、校庭で蟻の観察をしたりだとか、黙々とどんぐりを拾ったりだとかして待っていて、私達は毎日一緒に帰った。


私は兄弟が欲しいとずっと思っていたから、シグマが弟みたいで可愛くって。

私にとって、シグマは忠実な犬みたいに聞き分けがよくて、素直で。

ただ、時々何か疑問が浮かぶと「なんで?」「どうして?」の繰り返しでちょっと面倒臭かったりもしたんだけど。


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