みんなの冷蔵庫(仮)1
「ちょっ、シグマ! 危ないよ!」


慌てて私もひざまずき、シグマの両肩を掴んで後ろに引くように光から離した。


「危ないの?」


全く動じないシグマに尋ねられ、唾を飲む。
危ないのかな?
危なくないのかな?

とっぷり日が暮れるまでずっと穴を掘って疲れていたし、好奇心も手伝って、私は石に触れたいと思い始めた。

「くららちゃん、あれに触りたいって思ってるでしょ?」


シグマが無邪気に悪魔の囁きのような事を言う。


「なんで?!」


私は動揺してシグマの澄んだ瞳を見返す。


「俺もそう思ったから」


シグマはそう言って一本の線みたいに閉じた大きな口を、ニッと吊り上げた。


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