カフェには黒豹と王子様がいます
 教えてくれないんだ。

「は~い」


 実際にフロアでの二人の姿を見ていると、感心する事が多かった。

 テーブルの上のお水がなくなっているとすぐに注ぎに行くし、年配の方には「熱いですのでお気をつけて」と声をかけたり、お客さんたちの話の邪魔をしないよう、つかず離れずと言った感じの接客が何もかもスマートだ。

 常連さんの砂糖やミルクの好みまで把握しているし、マスターの新作のケーキのおすすめも忘れない。とても勉強になる。

 それに、お互いがお互いをフォローしあっているのがわかる。信頼し合っているんだな。

 私も早く仕事ができるようになってあの中に入りたい。

 本気でそう思った。
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