カフェには黒豹と王子様がいます
 キャラメルとクルミのムース、ピスタチオとカシスのムース、黒ゴマのプリン、ベリーベリータルト、洋ナシのレアチーズ、トロリチョコのフォンダンショコラ……

 もうどこから食べていいかわからない。

 みんな一口サイズで全部の種類食べたい!

 今日子さんも目をキラキラさせて、ケーキを選んでいた。

 嬉しそうにケーキを食べる今日子さんを見て、小野田先輩がボソッと言った。

「やっぱり俺、本格的にケーキの勉強しようかな」

「いいよ!それいいよ!小野田くん向いてると思う。今までだってケーキの案もちょこちょこ出してもらってるし、手先も器用だし」

「ほんとね、恭ちゃんなら、すてきなケーキ作りそう」

「ちょっと前から考えてはいたんです」

「よかったら、僕と竹本くんがお世話になったフランスのシェフ、紹介するよ」

「フ、フランス??」
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