カフェには黒豹と王子様がいます
「徳永はさ、いいやつだよ。俺が保証する」

 博子さん以外の女に本気になってるんだ。

 それは分かっておいてもらわねえとな。

「徳永といい加減な気持ちで、接するのはやめてくれよ」

 そう言って西口を見たら、な、泣いてる!

 やめろよ。

 ちょっとドキッとした。

 なんだよこの心臓。

「西口?……まいったな……ごめん、西口。なんで泣くんだよ」

 抱きしめたくなるだろ?

 店ん中だっての。

 お客様が呼んでるし。

 ちきしょう。

「ああ、もう、ちょっと裏行って、落ち着て来い」

「……はい」

 お客様の所に行っても、泣いている西口の顔がちらつく。

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