カフェには黒豹と王子様がいます
「前にもこんなことあったんだよ。あの時は外にいたのが小野田くんだったけどね。徳永くんが、「外に行くなら、中から見える所にいて」って言っていたの、知ってるよ」

 二人の信頼関係は相当強いんだなと思った。それがうれしかったし、うらやましかった。

 私とマスターが警察に行くと、ちょうど出てくるところだった。

「先輩!大丈夫ですか?」

「西口、心配かけたね。マスターもすいません」

「もてる男はつらいねえ」

 そんなマスターの軽口も、今の徳永先輩には少し辛そうだった。

 そうだ、あの血は?

「怪我!怪我ないですか?2人とも!」

「あ、小野田が……」

「ねえよ、怪我なんて。何言ってんだ」

 小野田先輩が徳永先輩をにらむ。……やっぱり怪我したんだ。
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