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「――…アンタさぁ、あの男のどこがいいわけ?さっさと離婚すれば?別に進めてる訳でもねぇよ?ただ、このまま進んでも一緒だと思うけど。もちろん、アンタの望みはいくらでも聞くし、アンタの望み通りの事はちゃんとするつもり」

「……」

「アンタが納得出来るまで俺は責任持つよ?ぶっちゃけアンタの旦那もさ、人様のもんに手出してんだからそれくらいの覚悟はしてんだろって話」

「……」

「そう…覚悟な。覚悟なかったらそんな事すんなって事。アンタひとり守れんくらいなら離婚した方がマシや。そこまで苦しかったらアンタも覚悟決め。そのうちあっちの男も動き出すやろ。アンタの旦那と嫁が出来てんのやから」

「……」

「まぁ、離婚するかしないかはアンタ次第やけど。アンタに頼まれた証拠は全部揃ってる。それを弁護士に持って行くかはアンタ次第。すぐに必要やったら言うて。他の奴に持って行かせるから」


淡々と話す蓮斗は灰皿にタバコを打ち付けながら言葉を吐き出し、そして電話を切る。

ほんと、コイツは大変だな、と思いながら思わず蓮斗を見て頬を緩ませた


「…なに?」


頬を緩める俺が気になったのか蓮斗は俺に視線を向ける。


「いや、お前も大変だなぁと思って。つか、何の依頼してんだよ、お前」

「ダブル不倫」

「ははっ、何それ」

「なぁ、お前だったらどうする?人様のもんに手出すくらいの覚悟ある?」

「それ俺に聞く?そもそも俺、人のもんに興味ねぇから」

「言うと思った」

「別にしたかったらしたらでいいんじゃね?するのは自由だし。でも俺はそんな人のもんとってまでの覚悟ねぇからしねぇけど」

「お前は女に困る事ねぇからな」

「どーいうこと?例えその女が物凄くいい女だったとしても、その先に価値なんて何もねぇだろ。人のもんに手だすほどの価値あんの?」

「価値ねぇ…、あるのは天罰だけって事か」


タバコの煙をふかした蓮斗は鼻でフッと笑って頬を緩ませる。


「こわっ、お前の天罰が一番怖いわ」

「言うねぇお前は。…って事でさ、俺忙しいから実香子の事よろしくな」

「俺も忙しいっつーの」

「あ、そんな事してたら美咲ちゃんに怒られる?」

「あいつはそんな事で怒らねぇよ」

「だよな。お前が選んだ女だもんな」


フッと笑った蓮斗に一息つく。

そして、その実香子から連絡が来たのは2週間後だった。
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