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「よぉ、お前元気?…って、んなわけねぇか」
19時を回った頃、流星が笑いながら病室に来た。
「どした?」
「どした?って、見舞いだよ、見舞い。ほら、お前今日、誕生日だろ?」
「え、あ、あー…そか」
「んだよ、日付も分かんなくなってきたんか?ほらよっ、」
ボンと机の上に置かれたペットボトル。
それを見て俺は眉を顰めた。
「いらねぇわ、んなもん」
置かれたトマトジュースを見て流星に視線を送ると、流星は笑みを浮かべた。
「いやな、沙世さんが翔くん誕生日だから持って行ってあげてーって、私行けないからって」
「なにそれ」
「ところでお前、派手にレンと言い合ってたんだって?」
「……」
「実香子から電話あって、あいつ困ってたぞ。あんま実香ちゃん困らせんなよ」
「それ言いに来たのかよ」
「いや、お前の27歳を祝いに来たんだよ」
「ついでだろうが」
「ま、レンの事はほっとけ。何も考えてねぇわけでもねぇだろうし、あいつもそこまで馬鹿じゃねぇよ」
「わかってる、んなこと。…もぉ、ここに居たら余計なことばっか考えてまう」
「……」
「別にどうでもいい事ばっか考えて、普段気にしねぇ事だって考えて。この先どーすっかなぁ…とか、もぉこのままホスト辞めちまおうかなぁ…とか、余計な事ばっか考える」
「俺、お前の弱音を聞きに来たんじゃねぇんだけど」
「……」
流星はフッと鼻で笑って、一息吐く。
俺だって別に弱音吐きたくて吐いてんじゃねぇし、ここの空間がそうさせてんだよ。
「で?店の事とか気になんねぇの?」
「例えば?」
「どんな感じとか誰がトップとか」
「なんも気になんねぇなぁ…どーせルイだし」
「まぁ、あたってっけど。このまま落ちたまま辞めるのはお前らしくねぇんじゃねぇの?あと2年頑張れよ」
「……」
「あー、そだ。リアが来てるって?」
「あぁ」
「別に来なくていいっつってんだけど、来んだよ」
「他の女も来て迷惑ってか?」
面白そうに笑う流星にため息を吐き出し、流星から視線を外し軽く目を瞑った。
19時を回った頃、流星が笑いながら病室に来た。
「どした?」
「どした?って、見舞いだよ、見舞い。ほら、お前今日、誕生日だろ?」
「え、あ、あー…そか」
「んだよ、日付も分かんなくなってきたんか?ほらよっ、」
ボンと机の上に置かれたペットボトル。
それを見て俺は眉を顰めた。
「いらねぇわ、んなもん」
置かれたトマトジュースを見て流星に視線を送ると、流星は笑みを浮かべた。
「いやな、沙世さんが翔くん誕生日だから持って行ってあげてーって、私行けないからって」
「なにそれ」
「ところでお前、派手にレンと言い合ってたんだって?」
「……」
「実香子から電話あって、あいつ困ってたぞ。あんま実香ちゃん困らせんなよ」
「それ言いに来たのかよ」
「いや、お前の27歳を祝いに来たんだよ」
「ついでだろうが」
「ま、レンの事はほっとけ。何も考えてねぇわけでもねぇだろうし、あいつもそこまで馬鹿じゃねぇよ」
「わかってる、んなこと。…もぉ、ここに居たら余計なことばっか考えてまう」
「……」
「別にどうでもいい事ばっか考えて、普段気にしねぇ事だって考えて。この先どーすっかなぁ…とか、もぉこのままホスト辞めちまおうかなぁ…とか、余計な事ばっか考える」
「俺、お前の弱音を聞きに来たんじゃねぇんだけど」
「……」
流星はフッと鼻で笑って、一息吐く。
俺だって別に弱音吐きたくて吐いてんじゃねぇし、ここの空間がそうさせてんだよ。
「で?店の事とか気になんねぇの?」
「例えば?」
「どんな感じとか誰がトップとか」
「なんも気になんねぇなぁ…どーせルイだし」
「まぁ、あたってっけど。このまま落ちたまま辞めるのはお前らしくねぇんじゃねぇの?あと2年頑張れよ」
「……」
「あー、そだ。リアが来てるって?」
「あぁ」
「別に来なくていいっつってんだけど、来んだよ」
「他の女も来て迷惑ってか?」
面白そうに笑う流星にため息を吐き出し、流星から視線を外し軽く目を瞑った。