愛してるって言って
ほんとは蒼ちゃんのことを忘れられたらいいのにと思う。


そしてこの手をとれたらどんなにいいだろうって思う。


けれど、想いが届かないとわかった今でも消えるどころかだんだんその想いは大きくなっていく。


このまま大きくなり続けるであろう想いを抱えたまま圭ちゃんの手はとれないよ。


それに、圭ちゃんといたら嫌でも蒼ちゃんのことを思い出してしまう。


だって、ふとしたときに見せる表情が蒼ちゃんに凄く似ているんだもん。



「……ごめんね、圭ちゃん」


「……」


「あたしやっぱり……圭ちゃんのことは幼馴染み以上には思えない」



あたしの言葉に圭ちゃんはふっと視線をそらすと、



「やっぱ、駄目か……」



と大きく溜め息を吐く。


そして握った手にさらに力を込めると、また歩き始めた。


それからは全く会話がなくて、いつの間にか家に着いていた。
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