愛してるって言って
だから慌てて離そうとしたけれどそれは遅かったようで。



「何をしているんだ?」



と眉を寄せながら不機嫌な声でそう言って近付いてきた。


けれど、



「圭介……か?」



その相手が圭ちゃんだと気付くと少し表情が和らぐ。


それでもやっぱり眉を寄せたままのパパは、



「もう少し早く帰って来なきゃダメだろ?」



と少し低めの声で言ってきて。



「圭ちゃんちで夕飯をご馳走になっていたんだもん。それにママにはちゃんと言ってあるよ」



そう言うけれど、パパの表情は全く晴れない。


そんなパパの様子に、圭ちゃんが



「蓮(レン)くん、こえー」



と笑いを含ませた声でそう言うのを聞いて、パパの視線はあたしから圭ちゃんに移った。
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